|部下のヤル気を引き出すにはどうしたらよいだろうか?

 

これまでのビジネス人生を振り返って、うれしかったこと、はげみになったことは何ですか?」

回答は次のようになったはずです。
『褒められた(上司やお客さんに)』『いい仕事をして評価された』『一人前として認められた』

このようなポジティブな体験をしたとき、一皮むけたと成長を実感したはずです。

自分が経験してうれしかったことを今度はマネジャーとして部下にも経験させるのです。

 

1. フィードバックの基本

 

フィードバックを定義すると、「相手の行動に関して自分の意見を言葉で伝達する方法」となります。

フィードバックには肯定的なメッセージを与えるもの(ポジティブフィードバック)と改善を促すもの(ネガティブフィードバック)があります。

フィードバックの4つのポイント

ポイント①  フィードバックは「褒める」ことや「叱る」こととは違う
「褒める」も「叱る」も日常用語として使われていて、大人が子供に対して行うものであって、大人が大人に対して行うものではないと言います。
ビジネスにおいては
褒めるは英語にするとpraiseあるいはcompliment(称賛する)になると思います。
然るはsupport(サポート)やadvice(アドバイス)です。
この様になります。

ポイント② フィードバックは相手の行動に対して行うもの
フィードバックは、あくまでも相手の行動に対して行うもので、相手の能力、意図、人格、性格、さらに結果に対して行うものでもありません。
良い、フィードバックとは
仮に年度予算が達成できなかった場合に
本人が本当に知りたいことは、自分の行動のどこに問題があって予算を達成できなかったのか、どのように行動を改善すれば次は予算が達成できるようになるか、ということです。それを伝えるのがフィードバックです。

ポイント③ フィードバックでは「自分の意見」を伝える
フィードバックで相手に伝えるのは自分の意見です。
業務の指示やアドバイスを伝えるものではないということです。
また、意見であって、非難、叱責、罵倒といった否定的な感情が絡んだものではないということです。

ポイント④ フィードバックは言葉で相手に伝えるもの
当たりまえのようで難しいのが、「言葉で伝える」ということです。
年端もいかない子供にはポジティブなこともネガティブなことも言葉で伝える親ですが、配偶者に対しては、大人の思惑や気恥ずかしさから、言葉で伝えることが少なくなっていないでしょうか。
大人に対して自分の意見を言葉で伝えるのは意外と難しいものです。「言わなくてもわかってくれているはずだ」という安易な期待は、立場が弱くて不安を感じがちな部下には通用しません。

 

2. ポジティブフィードバックの方法

2-1. ポジティブフィードバックの基本
ポジティブフィードバック(肯定的なフィードバック)は、相手の望ましいと思われる行動を具体的に指摘して、何がよいかを言葉で伝えることです。

それは人間の高次の欲求である「承認欲求」に応えるものとなります。
そのため、心理学が言うところの「正の強化(positive reinforcement)」という効果をもたらします。

相手の望ましい行動に対してなにかよいもの(褒美)を与えると、相手はその褒美を再びもらいたいと思って同じ行動をする、というものです。
こうして部下のモチベーションが向上します。

2-2. ポジティブフィードバックのやり方
ポジティブフィードバックは3つのステップで行います。
ステップ1 何がよかったか、評価したい行動を具体的に指摘する
ステップ2 その行動がもたらすよい結果を知らせる
ステップ3 今後どのような行動を取って欲しいかを伝える

2-3. 難易度の高いポジティブフィードバックとは?
定型業務をやっている人は絶対にミスをしてはいけないというプレッシャーからストレスを感じています。
ルーティーンワークをしている担当者に対しては、「いつも気苦労が多くて大変だよね。お蔭でとても助かっているよ」と一声かけることによって、認めて貰っているという気持ちが大きくなります。

 

3. ネガティブフィードバックの方法

3-1. ネガティブフィードバックの基本
部下が上司に求めるものとして、中堅クラス以上になり、上司と部下の信頼関係が増すにしたがって、「もっと認めて欲しい、評価して欲しい(=ポジティブフィードバック)」よりも「もっと指導して欲しい(=ネガティブフィードバック)」という指導方法を望んでいる方が増えてきます

ネガティブフィードバックの8つのポイント
ネガティブフィードバックのポイントを挙げると次のようになります。
①具体的に与える
ポジティブフィードバックと同様に具体的に焦点を絞る必要があります。
あいまいな表現や抽象的な表現にならないことです。

②優先順位を考える
改善を要する点がたくさんあった場合は最も改善を要する点に絞り込んだ方がよいでしょう。

③事前の準備をする
深く考慮されたコメントである必要があります。効果的なフィードバックとなるように、部下の仕事ぶりを普段からよく観察している必要があります。

④なるべく早く伝える
時間が経つと問題行動を相手に伝えづらくなります。

⑤相手に心を開く
上司から部下への一方通行にならないように注意、部下からの意見にも耳を傾けるように心掛けます。

⑥プライバシーを守る
ネガティブフィードバックは1対1で行い、他の人がいる前では避けるようにします。

⑦感情的にならない
地位や権力に頼らず、事実に基づいた説得力を使って部下を指導する必要があります

⑧丁寧に言う
問題点を指摘しながらも、部下への敬意を込めた丁寧な表現を心掛けます。

3-3. フィードバックが効かないときの対処方法
部下の指導のために行うネガティブフィードバックは効果的なものですが、万能ではありません。ネガティブフィードバックをしても問題行動が改善されないことがあります。その場合は、フォローアップが必要になります。そのためには次のようなステップを踏んで対応するとよいでしょう。
ステップ1:フィードバックが繰り返されていることを指摘する
ステップ2:問題解決のための対策を一緒に考える
ステップ3:本人にとって好ましくない結果を示唆する

 

4. マネージャーのためのフィードバックの極意

4-1. フィードバックのスキルの磨き方
一般的に「管理能力の高い人は、他人の欠点や弱点をすぐに見抜くことができる。しかし、他人の長所を見抜く能力は弱い」という傾向にあります。
常日頃から部下に敬意を払って、長所に注目するという謙虚な姿勢がマネジャーには求められます。
また、部下とWin-Winの関係を構築するフィードバックに挑戦する方が理に適っています。

最後に企業業績に責任を持つマネジャーにとって、フィードバックを積極的にやらない手はないはずです。

どのように指導すればよいかというテクニックを考えるよりも、まず自分から挨拶から始めるということです。これがリーダーシップの基本ではないでしょうか。

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